ヒブ・小児用肺炎球菌の予防接種
更新:2022年3月15日
ヒブとは
インフルエンザ菌、特にb型は、中耳炎副鼻腔炎、気管支炎などの表在性感染症の他、髄膜炎、敗血症、肺炎などの重篤な深部(全身)感染症を起こします。
2010年以前の日本では、インフルエンザ菌b型(ヒブ)による髄膜炎は、年間約400人が発症し、約11%が予後不良とされ、生後4か月~1歳までの乳児が過半数を占めていました。現在は、ヒブワクチンが普及し、重篤な全身感染症は激減しました。
小児用肺炎球菌とは
肺炎球菌は、子どもの多くが鼻の奥に保菌していて、ときに細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎などの重篤な全身感染症や中耳炎、副鼻腔炎など気道感染症を起こします。
肺炎球菌による化膿性髄膜炎は、ワクチン導入前は年間150人前後が発症していると推定されていました。致命率や後遺症例(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)の頻度はヒブによる髄膜炎より高く、約21%が予後不良とされています。現在は、肺炎球菌ワクチンが普及し、肺炎球菌性髄膜炎などの侵襲性感染症は減少しました。
副反応
ワクチン接種後は、軽い副反応がみられることがあります。
- ヒブワクチン…注射部位発赤、腫脹、硬結などの局所反応が多く、全身反応としては発熱、不機嫌、食思不振などが認められています。
- 小児用肺炎球菌ワクチン…注射部位紅斑、注射部位腫脹、全身反応として主なものは発熱が認められています。
対象年齢
生後2月から5歳に至るまで(5歳の誕生日前日まで)
ヒブワクチンのスケジュール
1.接種開始が生後2月~生後7月に至るまでの場合(標準)
- 初回:27日以上(生後20日以上)の間隔をおいて3回(標準として27日~56日の間隔)
- 初回2回目、3回目の接種は生後12月を超えた場合は実施せず、初回接種に係る最後の接種終了後27日以上の間隔をおいて追加接種を1回して終了
- 追加:初回接種終了後、7月以上の間隔をおいて1回(標準として初回接種終了後7月~13月の間隔で接種)
2.接種開始が生後7月~生後12月に至るまでの場合
- 初回:27日以上(医師が必要と認めた場合には20日)の間隔をおいて2回(標準として27日~56日の間隔)
- 初回2回目の接種は生後12月を超えた場合は実施せず、初回接種に係る最後の接種終了後27日以上の間隔をおいて追加接種を1回して終了
- 追加:初回接種終了後、7月以上の間隔をおいて1回
3.接種開始が1歳誕生日~5歳に至るまでの場合 : 1回
小児用肺炎球菌ワクチンのスケジュール
1.接種開始が生後2月~生後7月に至るまでの場合(標準)
- 初回:27日以上の間隔で3回(標準として生後12月までに3回接種)
- 初回2回目、3回目の接種は生後24月を越えた場合は実施しない。また初回2回目が12月を超えた場合は、3回目の接種を実施せず、追加の接種をして終了
- 追加:初回接種終了後60日以上の間隔をおいて、生後12月以降に1回(標準として生後12月~生後15月に接種)
2.接種開始が生後7月~生後12月に至るまでの場合
- 初回:27日以上の間隔で2回(標準として生後12月までに2回接種)
- 初回2回目の接種は生後24月を越えた場合は実施せず、追加の接種をして終了
- 追加: 初回接種終了後60日以上の間隔をおいて、生後12月以降に1回